沖縄県沖縄市コザに住む音無小夜(CV: 喜多村英梨)は、運動好きで食いしん坊なごく普通の女子高校生。1年前以前の記憶を持たない他は、血の繋がらない家族である養父の宮城ジョージ(CV: 大塚芳忠)とカイ・リク兄弟、そして親友の金城香里(CV: 門脇舞)らに囲まれて幸せな日々を過ごしていた。
忘れ物を取りに入った夜の学校で、小夜は突如現われた得体の知れない化け物に襲われる。辛くもハジ(CV: 小西克幸)と名乗る美貌の青年に助けられた小夜。そんな小夜にハジは血まみれの腕を差し出し、ただ一言つぶやく。「小夜、戦って」と。ハジに口移しで彼の血を飲まされた小夜は、その瞬間別人に一変する。自らの血に彩られた異形の刀を手にし、たちまち翼手を切り伏せた小夜だったが、真っ赤な炎に照らし出され逃げまどう人々や、化け物を容赦なく切り捨てる自らの姿に恐怖する。こうして小夜の平穏な日常は、生き血を喰らう獣・翼手に遭遇した事で無惨な終わりを告げる。
小夜は翼手の殲滅を目的とする組織赤い盾の一員デヴィッド(CV: 小杉十郎太)により、自らの「血」が翼手を倒すことの出来る唯一絶対の武器である事実を告げられ、「赤い盾」に引き渡されることとなる。ジョージとの別離を前にした小夜は新たな翼手の襲撃を受けるが、戦いを拒否する小夜に代わり翼手に立ち向かったジョージが重傷を負う。米軍に協力して翼手研究に携わり、「マウス」と呼ぶ逃走した翼手を追跡していたヴァン(CV: 諏訪部順一)・アルジャーノ(CV: 諏訪部順一)はジョージを拉致し、ヤンバルの研究施設に軟禁した上、治療の名目でD67という薬物を投与する。小夜はハジ、デヴィッドと共にジョージの救出に向かう。米軍が施設を空爆することが判明し、急ぎ知らせに駆け付けるカイ。D67の効力で次第に翼手化していくジョージは、人間の姿を留めたまま小夜の手にかかって死ぬことを望む。小夜とカイに見送られて、ジョージは息を引き取った。
D67を追う「赤い盾」は、その出所がベトナムの全寮制女子校リセであることを知る。また、ハジの正体がジョエル(CV: 石田彰)の日記に記された「小夜に従う者」=シュヴァリエと確認される。赤い盾の一員として翼手と戦うことを決意した小夜はハジと共にリセに潜入する。小夜はベトナムの地で忌まわしき過去の記憶、小夜を仇敵とつけ狙う「ファントム」ことカール(CV: 佐々木望)、大手製薬会社のCEOで金髪の美しいカールの兄ソロモン(CV: 辻谷耕史)と遭遇する。カールが密かに保管するコンテナの中身が、「赤い盾」が長年追い続けてきた「ディーヴァ(CV: 矢島晶子)」であると確信したデヴィッドは、コンテナ強奪を強行。しかし、カールとの死闘も空しくコンテナは運び去られた。相次ぐ戦いの中で、小夜は次第に自分が自分でなくなっていく不安に苛まれるが、気丈にも過去の記憶と対峙することを選ぶ。続くロシアで出会ったアンシェル(CV: 中田譲治)は、「自分自身の過去が知りたければ、『動物園』に行け」と謎めいた言葉を残して姿を消す。今は廃墟と化した「動物園」に辿り着いた時、小夜は全ての記憶を取り戻すのだった。
自らの生い立ち。
歴史の影に隠された人と翼手との永きに亘る戦い。
そして自らが解き放った災厄の源、実の妹である翼手の女王ディーヴァ。
ディーヴァを守るシュヴァリエ達。
世界を巡る彼らとの死闘の中で小夜はかけがえのない多くのものを失っていく。