劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜

基本データ

作品名:
劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜
響け! ユーフォニアムシリーズ)
よみがな:
ひびけ ユーフォニアム きたうじこうこう すいそうがくぶへようこそ
みんなの評価:
話題性:
1
累計平均売上:
データ無し
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概要・あらすじ

北宇治高校吹奏楽部へようこそ

物語の舞台となる京都府立北宇治高校は10年ほど前までは吹奏楽の強豪校だったが、今ではすっかり落ちぶれている。入学式で聞いた校歌演奏は酷いものだったが、小学4年生の時から吹奏楽を続けている黄前久美子(おうまえ くみこ)は級友たちの誘いを断れず吹奏楽部へ入部する。ユーフォニアム演奏歴7年の久美子、全国最上位の強豪中学出身で部内唯一のコントラバス奏者となる、人数調整でチューバ担当に回された吹奏楽未経験者の加藤葉月(かとう はづき)のクラスメイト3人は揃って低音パートに配属される。

新入部員の中には高坂麗奈(こうさか れいな)の姿もあった。中学3年生の夏、久美子と麗奈のいた北中学の吹奏楽部はコンクールの京都府大会で金賞を獲得したものの、関西大会出場を逃した。当時、全国大会出場という部の目標を真に受けていなかった久美子は悔し涙を流す麗奈に向かって、本気で全国に行けると思っていたのかと冷めた本音を口にしてしまった。しかしそんな毒のある久美子の言動に、麗奈は密かに好感を抱いていた。中学時代は顔見知り程度の仲だった2人は互いに意気投合する。

吹奏楽部の新しい顧問に赴任した滝昇(たき のぼる)は最初に、全国大会出場を目指すか楽しく過ごす部活動にするか、部員たちに選択を求める。部員たちは多数決を採り、前者に決定する。滝の指導は厳しかったが、部員たちは彼の手腕に信頼を寄せていく。コンクールの演奏メンバー選考の結果、ユーフォニアムでは2年生の中川夏紀(なかがわ なつき)が落とされる。中学時代に先輩との軋轢を経験した久美子は動揺するが、夏紀は久美子を気遣う。トランペットパートでは、自由曲の要となるコルネットのソロ奏者に1年生の麗奈が選ばれ、3年生の中世古香織(なかせこ かおり)を推す吉川優子(よしかわ ゆうこ)たち上級生の怒りを買う。香織は優子を諌めようとするが、オーディションで顧問が手心を加えたのではないかと勘ぐられた麗奈は滝が侮辱されたことに激昂する。10年前までこの学校で吹奏楽を指導していた滝の父親とプロの演奏家である麗奈の父とは旧知の仲で、麗奈と滝も以前から面識があった。そして彼に恋愛感情を抱いていることを、麗奈は久美子にだけ打ち明けた。

京都府大会前日、トランペットパートリーダーの香織が突然、滝にソロパートの再オーディションを願い出る。部員たちの前で香織は高度な演奏を披露するが、高校生離れした麗奈との実力差は歴然だった。自身の判断を滝に問われた香織は泣きながら、麗奈がソロを吹くべきだと答える。

翌日、コンクールの幕が上がる。久美子たちは関西大会進出を果たす。歓喜する部員たちに、目標はここで終わりではないと滝が檄を飛ばす。翌日の練習時間が告げられ、物語は一旦幕を閉じる。

北宇治高校吹奏楽部のいちばん熱い夏

8月末の関西大会に向け、連日早朝から夜間に及ぶ練習は厳しさを増す。

去年退部した2年生の傘木希美(かさき のぞみ)が姿を見せ、部に復帰したいと願い出る。希美のフルート演奏を聞いた鎧塚みぞれ(よろいづか みぞれ)が突然体調を崩す。吹奏楽部では昨年、希美たち南中学出身の1年生グループが当時の3年生たちの不真面目さに耐えかね、集団で退部する事件があった。希美は当時、既に部の主力メンバーだったみぞれには退部の誘いを持ちかけず、自分が辞めることも知らせなかった。親友に見捨てられたと感じたみぞれは希美の存在がトラウマとなっていた。唯一のオーボエ奏者であるみぞれの状態維持を優先したい副部長のあすかは、みぞれの異変に気づいていない希美に真実を伝えないまま、彼女の再入部を拒み続ける。

関西大会の前日、ソロパートの演奏改善に苦しむみぞれを励まそうと希美が唐突に部室を訪れる。みぞれが逃げ出し、異変に気付いたトランペット担当の優子が後を追う。みぞれたちと同じ南中出身である優子の説得が奏功し、希美とみぞれは関係を修復する。感情に欠けていたみぞれの演奏は見違え、彼女本来の表情豊かな響きを取り戻す。

関西大会から全国大会への出場枠は「三強」と呼ばれる大阪の超強豪3校が毎年独占しているため、順当にいけば今の久美子たちが全国大会に進める可能性はほとんどない。コンクール当日、それでも久美子たち北宇治高校吹奏楽部はこれまでで最高の演奏をする。自分たちの出番が終わり、三強の一角である秀塔大学付属高校の演奏を客席で聴いていた久美子は、彼らが失敗することを願わずにいられない自分に嫌悪を抱く。そのとき、エスクラリネットのソロ奏者がミスをする。会場を出た久美子は、ミスをした2年生部員が腕にギプスを纏った3年生に泣きながら詫びているのを目にする。北宇治高校は2か月後の全国大会への出場を決め、部員たちは歓声に包まれる。

北宇治高校吹奏楽部、最大の危機

2学期が訪れ、北宇治高校吹奏楽部は文化祭や地域のコンサートをこなしつつ、全国大会に向けて練習に励む。

ユーフォニアム担当の3年生、田中あすかの母親が職員室を訪れ、顧問の滝に娘を退部させるよう迫る。母親は受験への悪影響を口にしつつ、音楽家の元夫と同じ楽器を娘が演奏することへの苛立ちを覗かせる。滝は本人が望まない退部は認めないと突っぱねるが、母親に逆らえないあすかは練習を休みがちになる。部の要である彼女の不在に部員たちは動揺する。あすかの欠場に備え、滝は2年生の夏紀を合奏練習に合流させる。

同じ頃、久美子の家庭内では姉の麻美子が両親と揉めていた。好きな吹奏楽を諦めてまで親の期待に応え続けた大学3年生の姉が、親たちの反対を押し切って美容師を目指すという。久美子は姉の姿にあすかを重ねる。あすかは今さら自分が復帰しても良い影響はないと諦めを口にするが、久美子はそれでも一緒に演奏したいと食い下がる。全国30位という驚異的な模試の成績を携え、母を説き伏せたあすかが部活動に復帰する。

コンクール前夜、トロンボーン担当の塚本秀一は長らく渡しそびれていた誕生日プレゼントを幼なじみの久美子へ手渡す。プレゼントは白いひまわりの花をあしらった髪留めだった。この花は滝が亡き妻へのプロポーズの際に贈った花だと久美子に教えられ、秀一は赤面しながら他意はないと取り繕う。

本番の演奏を終え、久美子たちは客席で結果発表を見守る。全国大会出場校の顧問表彰が始まり、場内から各校生徒の声援が飛ぶ。ステージ上の滝に向かって麗奈が「先生、好きです!」と叫ぶ。北宇治高校の受賞結果は銅賞に終わり、久美子は悔しさを覚える。滝は、進藤正和という審査員から預かった伝言と紙片をあすかと久美子に伝える。ユーフォニアムのプロ奏者、進藤正和はあすかの実父である。進藤の紙片にはコンクール審査の最低評価を表す "C" の文字が記されていたが、伝言の内容は長年の努力と今日のユーフォニアム演奏への賛辞だった。あすかはかつてない笑顔を見せ、久美子とじゃれ合う。

卒業式の日、1年前とは見違えた校歌演奏の後、あすかを送り出した久美子が麗奈とともに練習へと向かう場面で物語は終わる。

北宇治高校吹奏楽部のヒミツの話

受験勉強を理由に退部した斎藤葵と学業でも演奏でも天才の田中あすかとの級友2人による会話劇や久美子、葉月、秀一たちの恋の顛末など、全13話の短編を収録。

レビュー・感想

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あすかと久美子の育んだ「絆」が、本劇場版に通底する美しいテーマとして描かれています。
あの校舎裏での「だったらなんだって言うんですか!」のシーン。京都アニメーションの魂がこめられたような、感情を引き立たせる画面に魅入られました。
そして、TV版では観られなかった
・『プロヴァンスの風』関西大会金賞バージョン
・駅ビルコンサート『宝島』フルバージョン
・『三日月の舞』全国大会銅賞バージョン
が披露されます。『三日月の舞』の絵は関西大会版からの流用が目立つものの、新規作画と繊細かつ迫力あるサウンドと相まって、素晴らしい演奏シーンとなっています。
ラスト近く、全国大会が終了した会場で、姉と邂逅した久美子を待つあすか。彼女の優しさと、二人の喜びの溢れるシーンには、思わず涙しました。
この素晴らしい作品を鑑賞できたことに、ただただ、感謝です。
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